物流連会長ご挨拶




日本物流団体連合会(物流連)第9代会長の田村修二です。

物流連は、1991年に発足し、今年で四半世紀を超えるに至りました。陸、海、空各分野の物流企業ならびに関連団体が広く加入する団体として発足して以来、物流業界が横断的に抱える内外の諸課題を捉え、分野を超えた一元的な取組みの中で物流業界全体としての意見の取りまとめを行い、これまで経済界をはじめとする関係者の理解と協力を求め、あるいはその解決策を国の政策に反映して頂くよう数々の提言を行ってまいりました。

物流業は、いまや企業の経済活動を支えるだけでなく、個人の生活に欠かせない社会インフラであり、国内の市場規模は約25兆円でGDPの5%、就業者数は約213万人で全産業の3%を占めています。近年、物流現場における人手不足問題がeコマース市場の急速な拡大に伴い、国民生活に影響を及ぼす課題として広く認識されるに至っておりますが、近い将来、物流が産業活動や生活を支える社会的インフラの機能を十全に果たせない事態も危惧されています。このため、荷主をはじめ広く国民の理解を得て、物流業界が輸送効率を高めるなど生産性向上を一層推し進めるとともに、多様な就業ニーズを取り込むなど魅力ある労働環境を整備していくことが喫緊に求められており、物流連としては、こうしたことを踏まえ、以下の活動を実施、継続していきたいと考えています。

まず、物流連が過去一貫して取り組んできた「(産業・生活を根底で支える)物流を、(広く社会・国民から)等身大で見ていただく」取り組みです。ITの普及・高度化により、生活の利便性やビジネスの効率は目を見張る進化を遂げており、物流分野もITの進化に伴う℮コマースの進展等でその社会的役割は益々大きくなっています。このため、若い世代の皆様が社会の基盤インフラである物流の使命を認識し、物流という仕事が社会的意義とやりがいを兼ね備えた職業であることを知るための様々な機会を提供しております。今後これに加え、今般、新しい学習指導要領で物流についての記述が充実して盛り込まれたことから、小中学生に対する働きかけについても強化してまいります。

次に、社会インフラとしての物流業界の諸機能を一層高めていく取り組みです。労働力不足といった業界共通の課題に対し、生産性の向上に寄与する最新の技術動向やその活用事例を把握し、その紹介に努めるとともに、手荷役・手待ち時間解消、働き方改革等の課題に取り組んでまいります。

さらに、地球環境問題の取り組みでは、先頃発効したパリ協定を踏まえ、物流部門におけるCO2削減・環境負荷軽減を図るため、物流環境大賞、モーダルシフト最優良事業者賞、グリーン物流パートナーシップ会議における表彰を継続するとともに、国が進めるクールチョイス運動の宅配便再配達防止キャンペーンへの参画等、環境対策に係る啓発活動に努めてまいります。また、昨年改正された物流総合効率化法に基づく総合効率化計画は、CO2削減の観点からも有効であることから、モーダルシフト、共同輸配送、帰り荷の確保等、複数の荷主・物流事業者の連携や協調について一層の展開を図るべく、計画を後押しする取り組みを推進していきたいと考えております。

最後に、国際的な事案への取り組みです。近年、製造業等荷主企業の海外進出に伴い、我が国物流事業者の海外展開にはめざましいものがあり、特にアジア、最近は東南アジア諸国への進出が顕著となっています。これらの国々では、国によっては道路港湾等のインフラ面のみならず、通関等の制度面でも未整備なケースが見受けられ、円滑な業務遂行に課題を抱えていることから、「国際業務委員会」傘下の「海外戦略ワーキングチーム」において海外進出企業の経験・ノウハウを情報共有するとともに、民間事業者のみでは対応が困難な課題について、政府間での対話につなげて頂く等、官民連携を図ることにより、海外進出する物流事業者の支援を継続していきたいと考えております。

以上4点の取り組みを着実に進めていくため、あらゆるモードに関わる物流関係者のご意見に耳を傾け、現状を十分把握しながら物流連の活動を進めてまいりたいと思います。

物流連はあらゆる業態の物流企業・団体の連合体であり、会員の皆様ならびに国土交通省ほか関係先の方々のご協力があって初めて機能するものです。会員各社ならびに物流に関わるすべての関係者からの絶大なる支援と協力をお願い申し上げます。

 

一般社団法人日本物流団体連合会

会長  田村修二