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物流環境大賞

物流団体連合会では、平成12年6月、物流部門における環境保全の推進や環境意識の高揚等を図り、物流の健全な発展に貢献された団体・企業または個人を表彰する「物流環境大賞」を創設いたしました。
これは、近年、物流分野においても環境との調和がますます重要となっているという現状から、物流部門において、優れた環境保全活動や環境啓蒙活動、あるいは先駆的な技術開発などを行なうことにより、環境負荷軽減の面から物流業の発展に貢献された方々を表彰する制度です。

第16回(平成27年度)表彰受賞者の概要

物流環境大賞
・受賞者
 ・日本梱包運輸倉庫株式会社
・功績事項
 ・全社的な輸送効率化への取り組みによるCO2削減
(次世代環境型21mフルトレーラーの導入・複数のモーダルシフト案件の実現など)
・コメント
 ・2013年11月に、構造改革特別区域法の特例として『長大フルトレーラ連結車による輸送効率化事業』におけるフルトレーラーの車長上限の緩和措置が取られた。
 日本梱包運輸倉庫(株)はこれを受け、2014年2月には、いすゞ自動車(株)及び(株)浜名ワークスと共同開発した新型フルトレーラーを導入し、幹線輸送の大幅な効率化を実現した。これにより、環境負荷低減、輸送効率の改善を一挙に実現した。更に、今後3年間で100セットに増備し、全国の幹線輸送に導入することを計画している。
 また軽自動車の完成車輸送を、キャリアカーから鉄道コンテナ輸送へ転換し、タイヤの長距離輸送をトラックから鉄道に転換するなど、モーダルシフトにも積極的に取り組んだ。
 このような活動を通じて、CO2排出量削減、車両の運行効率の向上を実現し、環境負荷の低減に成果を上げた。
物流環境保全活動賞
・受賞者
 ・神戸モーダルシフト推進協議会
・功績事項
 ・工場から顧客納品先まで、鉄道・フェリーを併用したモーダルシフトの実現
・コメント
 ・神戸モーダルシフト推進協議会は、メーカーであるネスレ日本(株)、物流事業者である日本貨物鉄道(株)、全国通運(株)、王子運送(株)が参加しており、顧客の要望に応じながらモーダルシフトを実施することに取り組んでいる。その結果、長距離輸送を行う小ロットの貨物は12ft鉄道コンテナ輸送を、大ロットの貨物はシャーシのフェリー航送を利用して行い、効率的な物流の実現とともに環境負荷低減に成果を上げた。

・受賞者
 ・福山通運株式会社
・功績事項
 ・貨物列車のチャーター運行「福山レールエクスプレス号」によるモーダルシフト
・コメント
 ・福山通運(株)は、環境問題と深刻なドライバー不足に対応するため、2013年3月25日より東京〜大阪間において貨物列車のチャーター運行を開始した。「福山レールエクスプレス号」と名付けられた貨物列車は、東京〜大阪間を1日1往復し、1列車当たりでトラック40台分、往復80台分の貨物を大型トラックから貨物鉄道へモーダルシフトした。これにより、トラックドライバーの就労体制を改善しつつ、大幅なCO2排出量の削減を達成した。
物流環境啓蒙賞
・受賞者
 ・日本通運株式会社
・功績事項
 ・安全エコドライブのグローバル展開について
・コメント
 ・日本通運(株)は、経済成長著しいASEAN諸国などで深刻化している環境問題や交通事故の問題に対処するため、日本で確立した安全エコドライブの技術を、海外事業において展開した。日本のドライバー指導員をマレーシアへ派遣して運転技術の講習を行い、車両に取り付けるデジタル式運行記録計を利用して、指導を行った。
 その結果、CO2排出量削減と共に交通事故発生件数も大きく減少し、マレーシア政府機関及び荷主より高い評価を受けた。
 この取り組みはトラック輸送分野では世界で初めてCDM(クリーン開発メカニズム)への登録を得た。

・受賞者
 ・日本ローカルネットワークシステム協同組合連合会(JL連合会)
・功績事項
 ・求車・求荷システム(「ローカルネットワークシステム」)を活用した「CO2排出削減量の見える化」への取り組み
・コメント
 ・日本ローカルネットワークシステム協同組合連合会(JL連合会)は、PCを活用した求車・求荷システムを全国展開し、中小トラック事業者の車両及び帰り荷の確保のサービスを提供している。CO2排出量計算システムを開発して、輸送効率化によって可能となるCO2排出量削減を見える化することにより、連合会のシステムへの参加の意義を広く周知した。このようにして、求車・求荷システムの普及が環境負荷低減の面でも効果があることを示した。
物流環境負荷軽減技術開発賞
・受賞者
 ・センコー株式会社
・功績事項
 ・バルクコンテナによるサイロ・ツー・サイロの一貫物流システムの実現
・コメント
 ・センコー(株)は、合成樹脂輸送においてローリー車や専用バルクコンテナの代替として、積載量を1〜2トン増やした汎用バルクコンテナを新たに開発してコストを削減するとともに、ユーザーに適した受け入れ設備を調査・提案・設置した。これにより、荷主であるケミカルメーカーの輸送において、トラックによる長距離輸送を、鉄道コンテナ輸送に転換し、環境負荷を低減した。
物流環境特別賞
・受賞者
 ・イオングローバルSCM株式会社
・功績事項
 ・「イオン鉄道輸送研究会」によるイオンとメーカーとの専用列車運行の実現
・コメント
 ・イオングローバルSCM(株)は、CO2排出量の削減を目指し、メーカー各社と協力し鉄道輸送の促進を図る「イオン鉄道輸送研究会」を発足させ、モーダルシフトの推進に取り組んできた。会員企業4社と協力して昨年12月に東京〜大阪間において専用列車の運転を行い、繁忙期における輸送力を確保するとともに環境負荷を低減した。貨物量から見て、1社単独では不可能な列車の貸切運行を、複数荷主の貨物を混載することにより実現した。
 その後、本年のゴールデンウィークにおいても新たに2社を加えて専用列車の運行を行った。

・受賞者
 ・日本製紙株式会社
 ・南光運輸株式会社
 ・日本貨物鉄道株式会社
・功績事項
 ・日本製紙株式会社石巻工場の復興時における製品出荷と原材料搬入の両面にわたる鉄道輸送によるCO2削減
・コメント
 ・日本製紙(株)は、石巻工場からの製品の出荷を、南光運輸(株)と日本貨物鉄道(株)と共に鉄道輸送によって行っていた。2011年の東日本大震災後、この輸送方式を復旧させるとともに、これまでトラックで搬入していた原材料(古紙)の輸送をモーダルシフトすることとし、引き込み線のレイアウトの変更などを行って実現した。これにより、鉄道の往復輸送が可能となり、効率化と環境負荷の低減を実現した。

・受賞者
 ・濃飛倉庫運輸株式会社
 ・ピー・アンド・ジー株式会社 滋賀工場
・功績事項
 ・31ft鉄道コンテナの往復共同利用の実現
・コメント
 ・濃飛倉庫運輸(株)とピー・アンド・ジー(株)滋賀工場は、31ft鉄道コンテナを活用したモーダルシフトを実現した。従来濃飛倉庫運輸(株)が滋賀⇒埼玉にて実施していた別の荷主の輸送に使用した31ft鉄道コンテナの返回送を利用し、ピー・アンド・ジー(株)滋賀工場の製品容器の調達輸送を鉄道利用に転換した。31ft鉄道コンテナは往復利用が難しいとされているが、荷主と物流事業者が連携し、コンテナ新製等の追加コストを避けつつ、モーダルシフトによりCO2排出量を削減した。
一般社団法人 日本物流団体連合会
物流環境大賞事務局

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-3 全日通霞が関ビル5階
電話:(03)3593-0139 / FAX:(03)3593-0138

過去の受賞者概要

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