JA EN
AWARD

物流環境大賞

物流団体連合会では、平成12年6月、物流部門における環境保全の推進や環境意識の高揚等を図り、物流の健全な発展に貢献された団体・企業または個人を表彰する「物流環境大賞」を創設いたしました。
これは、近年、物流分野においても環境との調和がますます重要となっているという現状から、物流部門において、優れた環境保全活動や環境啓蒙活動、あるいは先駆的な技術開発などを行なうことにより、環境負荷軽減の面から物流業の発展に貢献された方々を表彰する制度です。

第24回(令和5年度)表彰受賞者の概要

物流環境大賞
・受賞者
 ・株式会社フェリーさんふらわあ
・功績事項
 ・日本初のLNG燃料フェリー「さんふらわあ くれない」大阪別府航路へ就航
・コメント
 ・日本初のLNG燃料フェリー「さんふらわあ くれない」(所有:㈱商船三井)を、大阪/別府航路で本年1月に運航開始した。
「さんふらわあ くれない」は、LNGと重油それぞれを燃料として使用できる高性能Dual Fuelエンジンを国内フェリーで初搭載している。LNG燃料を使用することで硫黄酸化物(SOx)排出量はほぼ100%、窒素酸化物(NOx)排出量は約85%、CO2排出量は約26%削減され、環境負荷低減を積極的に行っている。
同社を含む商船三井グループは、フェリー事業を含め環境負荷低減の取り組みを今後もより一層、推進する方針を掲げている。
低炭素物流推進賞
・受賞者
 ・北海道ロジサービス株式会社
・功績事項
 ・持続可能な「北海道のライフライン」物流ネットワークの構築
・コメント
 ・活協同組合コープさっぽろ・㈱サッポロドラッグストアーの北海道全域の店舗の輸配送において、集約配送・他企業との共同配送、配車統合と拠点の共同化を順次行い、車両台数・CO2排出量・ドライバー労務時間の削減を行った。
取り組みにあたり、荷主との集配時間、納品条件の変更調整は、説明会の実施、各店舗・各現場へ足を運ぶなどして1件ずつ承認をもらい、協力運送会社との運行内容・運賃交渉といった委託内容の変更調整は、該当約20社と複数回協議を行った。その結果、2019年~2022年で1日あたり29台のトラックと約10%のCO2排出量を、トラックドライバーの拘束時間は年間54,000時間を削減した。
サステナブル活動賞
・受賞者
 ・AGCロジスティクス株式会社
 ・諸星運輸株式会社
 ・名鉄運輸株式会社
・功績事項
 ・RFIDを活用したパレット回収物流システムの構築
・コメント
 ・専用パレットにRFIDを貼付し、このタグを活用して回収するスキームを確立した。回収率を平均80%に上げ、パレットの廃棄の削減や新規パレット生産におけるCO2排出量の抑制に貢献した。また、洗浄拠点に都度返却していたパレットを、各拠点にいったん集約後、洗浄拠点にロット単位で返却することにより輸送CO2排出量を削減した。
回収にあたっては専用のシステムを導入せず、RFIDのクラウド型管理システムを活用して、パレット回収通知や輸送業者への回収依頼を自動で行うExcel(VBA)のプログラムを作成。カスタマイズや水平展開をしやすくなっている。
サステナブル活動賞
・受賞者
 ・SBS東芝ロジスティクス株式会社
 ・東芝ホクト電子株式会社
・功績事項
 ・工業用マグネトロン DFLアプローチによるサステナブル包装の取り組み
・コメント
 ・精密機器である工業用マグネトロンにおいて、従来の包装箱はプラスチックを緩衝材として使用していたため環境負荷、及び容積・質量大にともなう作業負荷が主な問題点であった。そこで、両社で協働して、競合他社ベンチマーク結果等をふまえ、DFL(Design for Logistics)の考え方にて、製品仕様を製品企画・設計段階まで遡って見直しを図ることで、包装箱のオール段ボール化・コンパクト化・軽量化を実現。結果、緩衝材プラスチック100%減(脱プラ)、CO2排出量25%減、作業工数30%減を達成して、環境負荷低減・持続可能性へと貢献した。
先進技術賞
・受賞者
 ・株式会社クリンペット・ジャパン
・功績事項
 ・圧縮梱包による物流の効率化を図る
・コメント
 ・食品用真空パックを応用し、空気を抜く圧縮梱包(特許取得済)により、ペーパータオル製品の質感を損なわず約50%の圧縮を実現、輸送容積を小さくすることでCO2排出量を40%削減した。
パレット積みを可能にするために圧縮後、外観が綺麗な立方体の形状になるよう工夫した。包装体の真空状態を少なくとも数分間維持できる製品(ペーパータオル紙類、布類、おむつ等)であれば圧縮可能である。
今後、上海の企業とも取り組みを拡大予定で、国内外で環境負荷低減に貢献していく。
先進技術賞
・受賞者
 ・三井倉庫ホールディングス株式会社
・功績事項
 ・グローバルサプライチェーンにおけるCO2排出量可視化サービスの開発
・コメント
 ・物流CO2排出量算定システムとして『MS CO2 Navigator』(簡易算定)、『MS CO2 Analyzer』(一括算定)の2つを開発。物流データ入力によりCO2排出量の可視化、削減のための施策立案をできるサービスの提供を開始した。
サービスのコンセプトは物流に「脱炭素・低炭素」という評価基準を新たにもうけることで、国際輸送も含めたサプライチェーン全体のCO2排出量可視化・削減提案に寄与する。簡易算定はウェブサイトから簡単に算定ができ、誰でも利用が可能。一括算定は、三井倉庫グループと所定の契約等を結び、物流データを提供することで利用が可能となる。既に300万件以上の輸送データの算定実績があり、今後の脱炭素物流における改善効果の精緻な可視化が期待される。
特別賞
・受賞者
 ・株式会社キーテクノロジー
 ・日本梱包運輸倉庫株式会社
・功績事項
 ・新規輸送における鉄道を利用した長距離ラウンド輸送
・コメント
 ・群馬県から福岡県への建設機械用部品の新規輸送について、福岡県内の倉庫で帰り荷とマッチングさせることで、鉄道往復輸送(新座貨物ターミナル駅~福岡貨物ターミナル駅)を開始し、安定供給かつ環境負荷低減に貢献した。
特別賞
・受賞者
 ・山九株式会社
 ・THK株式会社
 ・東京九州フェリー株式会社
 ・マリネックス株式会社
 ・株式会社サンキュウ・トランスポート・九州
・功績事項
 ・お客様との共同改善による精密機器部品輸送のモーダルシフト化(省力化・CO2削減)
・コメント
 ・福岡県・山口県から千葉県への精密機械部品輸送について、トラック輸送から海上輸送(新門司港~横須賀港)にモーダルシフトした。転換にあたっては商品を新門司港に集約し、トレーラーに載せてフェリー輸送することで、CO2排出量とドライバーの運転時間削減を実現した。
特別賞
・受賞者
 ・山九株式会社
 ・三井・ダウ ポリケミカル株式会社
・功績事項
 ・岩国・大竹→市原間の海上モーダルシフト
・コメント
 ・広島県から千葉県への化学製品の輸送について、トラック輸送から海上輸送(岩国港→千葉港)へ転換し、CO2排出量削減ならびにドライバー負担軽減を実現した。山九開発のハイキューブで内寸幅広の20ftコンテナと薄型14パレットを使用することで、20ftコンテナフル積載で輸送、CO2排出量の56%削減と、ドライバーによる運転時間を97%削減した。
特別賞
・受賞者
 ・昭和産業株式会社
 ・鈴与株式会社
 ・鈴与カーゴネット株式会社
・功績事項
 ・トレーラーを活用したフェリー輸送によるモーダルシフト及び中継輸送の導入によるCo2排出量の削減と法令を遵守した持続可能な運行の実現
・コメント
 ・茨城県から兵庫県への食用油の輸送について、一部を大型車陸送輸送からトレーラーを活用したRORO船による海上輸送(千葉港~堺泉北港)にモーダルシフトし、CO2排出量を削減した。陸送は中継輸送(静岡県・愛知県)を併用することにより持続可能な運行を実現した。
特別賞
・受賞者
 ・株式会社住友倉庫
・功績事項
 ・使用済みストレッチフィルムをリサイクル材へ再資源化する取組み
・コメント
 ・産業廃棄物として大阪市内の各倉庫が個別に処理を委託していた使用済みストレッチフィルム等の包装資材を分別・回収し、協力会社のリサイクル工場で再生プラスチック原料に再資源化した。また、この取組みにより廃棄焼却時に発生するCO2も削減した。回収のため専用車両を仕立て定期的に収集・運搬するフローを構築した。
特別賞
・受賞者
 ・センコー株式会社
 ・旭化成ホームズ株式会社
 ・フジテック株式会社
・功績事項
 ・ドリー式ダブル連結トラック導入による長距離輸送の脱炭素化と省人化の推進
・コメント
 ・旭化成ホームズ、フジテックの 関西 ⇔ 関東間の配送を集約し共同配送を行った。幹線輸送にダブル連結トラックを活用し、CO2、車両数、ドライバー数を削減しただけでなく、中継地点で車両を乗り替え発地へ帰るため、日帰りの運行を可能にした。
日本物流記者会賞
・受賞者
 ・霧島酒造株式会社
 ・株式会社ニチレイ・ロジスティクス九州
・功績事項
 ・焼酎製造副産物のリサイクル活動における共同スキームの構築を通じたカーボンニュートラルへの貢献
・コメント
 ・ニチレイ・ロジスティクス九州の鹿児島曽於物流センターが霧島酒造より受託している、焼酎原料の流通加工業務において、発生する焼酎製造副産物(芋くず)を行政の認可のもと越境させ、霧島酒造が保有するリサイクルプラントでバイオガスを生成。生成されたバイオガスは、焼酎製造工程のボイラー燃料となるほか、電力へと変換(サツマイモ発電)し、工場や地域の電力への活用を実現した。
一般社団法人 日本物流団体連合会
物流環境大賞事務局

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-3 全日通霞が関ビル5階
電話:(03)3593-0139 / FAX:(03)3593-0138

過去の受賞者概要

関連リンク